長崎県五島市下崎山地区で21日、奇祭「ヘトマト」があり大草履の奉納や綱引きなどが繰り広げられ、普段静かな一帯が熱気に包まれた。
ヘトマトの起源や語源は不明だが、豊漁や豊作、子孫繁栄、無病息災を願う小正月の伝統行事で、国指定重要無形民俗文化財。
地元の白浜神社で小中学生らが奉納相撲。近くの通りで新婚の入口佳子さん(33)=同市=と花井楓さん(26)=西彼時津町=が着物姿で酒だるに乗り、羽根突きを披露した。
その後、顔や体に「ヘグラ」と呼ばれる、すすを塗った締め込み姿の男衆が消防団と青年団に分かれて、わら玉を激しく奪い合った。見物人にもすすを塗り付けて回り、辺りは悲鳴と笑い声が広がった。
最後はわらで作った長さ約3メートル、重さ約350キロの大草履が登場し、地区内の山城神社へ奉納。途中、沿道の女性を抱きかかえて乗せ、大草履ごと「わっしょい、わっしょい」と担ぎ上げた。
大草履に女性乗せ「わっしょい」 長崎・五島の奇祭「ヘトマト」 男衆白熱、笑顔の一年に
- Published
- 2024/01/22 12:12 (JST)
- Updated
- 2024/01/24 11:43 (JST)
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