還付金詐欺で60代女性が300万円被害 「年金センター」名乗る男などから電話 広島・福山市

広島県福山市で17日、「保険料の還付金」を名目に現金およそ300万円がだまし取られる詐欺事件があり、警察が注意を呼びかけています。

警察によりますと、17日午後1時半ごろ、福山市内に住む無職の女性(60代)の自宅の固定電話に「年金センター」を名乗る男から電話がかかってきました。内容は以下の通りです。

「保険料の納付が多かったので、4万4580円の還付金が受け取れる」

女性は男とやりとりする中で、自身の携帯電話の番号を伝えたといいます。

女性が電話を切ると、今度は「金融機関職員」を名乗る別の男から携帯電話に電話がかかってきて、金融機関のATMに行くように言われました。

女性は電話をつないだまま、自宅付近のショッピングモールにある金融機関のATMに行き、男に指示されるまま、5回にわたりATMを操作。現金あわせて299万5611円を振り込んで入金し、だまし取られたということです。

振込先の口座は個人名義で、現金は東京都内で出金されたとみられています。

女性は自分の口座残高が還付金で増えるはずが、逆に減っているので不審に思い、110番通報して、事件が発覚したということです。

警察は「ATMで還付金が受け取れることはありません。固定電話は常時、留守番電話の設定にするなどして、相手が誰かを確認した上で応対するようにしましょう」と呼びかけています。

警察によりますと、還付金詐欺を含む特殊詐欺の被害額は、広島県内で去年まで3年連続で増加していて、去年は令和に入ってから最悪の計8億7942万2千円(計343件)にのぼっています。被害者のおよそ7割は「65歳以上の高齢者」または「女性」だということです。

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