「女子きらっ☆ブランド」開発の女性たちを静岡市が表彰 背景には…若者の転出超過が止まらない

静岡市のブランドとして認定された商品を開発した女性たちに、市から表彰状が贈られました。女性の活躍を後押しする動きの背景には、市が抱える問題がありました。

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<いろ粥 佐野敦子オーナー>
「『静岡市の女子きらっ☆ブランド』に認定されたお粥のプディングです」

静岡市葵区鷹匠にある粥専門店「いろ粥」。2023年6月に販売したスイーツは一見、普通のプリンに見えますが、お粥を使って作られています。

<河田太一平記者>
「やさしい甘さです。ナッツがアクセントになっていて、おいしいです」

商品を手掛けたのは「いろ粥」のオーナー、佐野敦子さんです。子どもから高齢者まで安心して食べてほしいという思いで作りました。

<いろ粥 佐野敦子オーナー>
「お粥をベースに作っているのでその粘りを使って、グルテンに頼らないで仕上げている」

小麦だけでなく砂糖や卵も使っていないためアレルギーが気になる人でも安心して食べることができます。静岡市はこうした女性たちが手掛けた商品を市のブランドとして発信しています。

1月23日、静岡市は「しずおか女子きらっ☆ブランド」として認定した商品を開発した女性たちに表彰状を贈りました。認定されると市がホームページや広報誌などでPRに協力。「お粥noプディング」のほかに、子どもが自分で楽しみながらお茶を淹れられるティーバッグなどアイデアが光る商品が選ばれました。

<丸福製茶 山田周子さん>
「わたしが子どもを育てている中で、麦茶がメインになってしまうのでお茶を飲む機会がないというところで、少しでも楽しくお茶に触れてもらいたいなという所から開発した」

静岡市がこうした取り組みを続ける背景にあるのは人口減少という大きな問題です。静岡市の転入・転出における女性の人数のグラフをみると、いずれの年も静岡県外への転出が転入を上回る状態が続いています。2023年、この差は300人を超え、特に若い女性の転出が多いといいます。

<静岡市男女共同参画・人権政策課 阪東小百合主任>
「今後も引き続き、これまでの認定事業者たちのPRを積極的に行っていって、女性活躍をはじめとした多様な人材の活躍ができる街を目指して事業を進めたいと思っています」

人口減少を食い止めるための一助になるのか、静岡市の模索が続きます。

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