七田さん(富山)おもてなし日本一マクドナルド技能コンテスト 県内初 声掛け、心配り光る

コンテスト優勝者に贈られた特別なベストを着用し、笑顔で接客する七田さん=富山市のマクドナルド富山インター店

  ●「また来たい、楽しい店に」

 日本マクドナルドの技能コンテスト「オール・ジャパン・クルー・コンテスト」で、富山インター店(富山市)の七田菜採(なつみ)さん(37)=同市=が「おもてなしリーダー」部門で優勝した。同部門の優勝は県内で初めて。七田さんは家族と店舗の仲間に感謝し「また来たい、楽しかったと思ってもらえるお店にしたい」と努力の継続を誓っている。

 コンテストは1977(昭和52)年から開催され、参加者は累計300万人以上となる。昨年は8部門で行われ、「おもてなしリーダー」の七田さんは店内戦、法人戦、ミニブロック戦、地区本部代表戦を勝ち抜き、12月にオンラインで行われた全国戦で念願をかなえた。

 日本マクドナルドによると、国内の従業員数は約19万人で、全国戦に出場するのは各部門6人。優勝者には特別なユニホームが贈られ、所属店は全国の店舗から注目されるという。

 七田さんは神奈川県出身で、高校2年時に鎌倉駅前店でアルバイトを始めた。大学卒業後に結婚し、育児のためにいったんは仕事から離れたが「マクドナルドで働きたい」との意欲は衰えなかった。夫の転勤で富山に移り、21年10月から富山インター店で勤務する。

 おもてなしリーダーは19年に導入された来店客のサポート専用スタッフで、楽しく快適な時間を過ごしてもらう重要な役という。来店客との会話が好きだった七田さんが心掛けるのは来店客全員への声掛けと、足を止めずに注意深く見回ること。しゃがんで子供の靴を褒めるなど細やかな心配りが光り、江口陽栄(はるえ)店長は「常に自分の思う以上のおもてなしをしてくれる」と語る。

 現在は中学2年と小学6年の息子2人を育てながら仕事に打ち込む。「働く自分を尊重してくれ、家事に協力的で助かっている」と感謝は尽きない。「一体感のある店の協力があって優勝できた。今後も楽しんで働き、後輩の育成にも励みたい」と七田さん。より良い店舗づくりへ、笑顔で走り続ける。

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