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●県漁協が決定
石川県漁協は23日、輪島港に係留されている漁船を志賀町旧富来地区の富来漁港と福浦港、金沢港に移送することを決めた。隆起した地盤と船底が接したまま放置すると、船に穴が空くなどの被害が懸念されるためで、地震の被害が比較的小さかった3港に避難させる。
金沢市の県水産会館で開いた理事会で決定した。輪島港にある約200隻のうち、航行不能となった船が対象で、早期の実施に向けて現地調査を急ぐ。
県内最大の漁獲量を誇る輪島港は、地盤が2メートル以上隆起した。地震前の水深は約3メートルだったが、現在は1メートルに満たない場所もあり、船体が海底と接している船も見られる。県漁協によると、こうした船をクレーン付きの台船でつり上げて運び出し、富来、福浦、金沢の各港に係留する。
理事会では漁業者への生活支援も議題に上がった。避難所に身を寄せたり、車中泊を余儀なくされたりしている漁業者については、県漁協の施設を住居に改修して受け入れる。足りない場合はコンテナハウスなどを貸し出す。
県漁協は、笹原丈光組合長を本部長とする災害対策本部を設置。理事会を経ずに方針を決定できる体制とし、迅速な被災地支援につなげる。
福平伸一郎専務理事は「奥能登の漁業者の多くは先行きについて不安を感じている。早めに方針を打ち出すことで安心感を与えたい」と話した。