停車直前「ぶつかる音」 金沢発の新幹線で架線障害

さいたま市中央区で停車した新幹線。乗客は係員らの誘導で線路脇を通り避難した=23日午後1時12分(共同通信社ヘリから)

  ●かがやき乗客、停電車内に3時間 

 北陸新幹線などで23日に起きた停電に伴う運転見合わせ。停車した金沢発「かがやき504号」の乗客は「車両が何かにぶつかる音がした」「停電した車内に閉じ込められて不安だった」と当時の様子や心境を明かした。終日運休となった影響で各駅は混乱し、金沢駅では駅員らが切符の払い戻しや利用者への説明に追われた。

 かがやき504号に乗っていた金沢市の会社員女性(41)によると、23日午前10時ごろ、大宮駅を過ぎて間もなく、「カン、カン」と車両に何かがぶつかったような大きな音がして、その後、緊急停止した。

 停車後、車内はずっと停電したままだったといい、女性は「すぐ後ろの窓ガラスにはひびが入っていた。いつ復旧するのか心配だった」と振り返った。約3時間後、はしごから線路脇に降りて近くの駅まで歩き、在来線に乗って東京に向かったという。

 同じ新幹線には小森卓郎総務政務官も乗車していた。総務省の震災関係会議に出席するため東京に向かっていた小森氏は「車両が何かにこすれる嫌な音がした」と話し、停車後の車内の様子については「乗客は取り乱すことなく冷静に行動していた」と語った。

北陸新幹線の運転見合わせを受け、みどりの窓口には長い列ができた=23日午後4時10分、金沢駅
一部にひびが入った「かがやき504号」の窓ガラス(乗客提供)

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