●亀裂隠し車の走行妨げ
今季一番の寒気が流れ込み、富山県内で断続的に雪が降った24日、能登半島地震の被害が大きかった高岡、氷見両市では、道路の隆起や融雪装置の故障で除雪が滞った。液状化現象で除雪車が入れなくなった場所では、雪が路面の亀裂を覆い隠し、車両の走行を妨げた。被災した住民らは復旧作業の合間、各所でスコップを手に雪かきに励んだ。
「家が沈んだから敷地から道路に出るためにブロックを積んでいた。行き来していたら雪で足を滑らせてしまった」。液状化現象で道路の隆起や住宅の沈下が目立つ高岡市吉久地区で、住民の男性(82)はこう語り、スノーダンプで雪を押し出した。
吉久地区はもともと市道の幅が狭いエリア。住民に小型除雪機を貸与し、自前で雪かきするよう求めている。ただ、道路の隆起で小型除雪機を使えない場所があるほか、液状化で側溝に泥が詰まって水があふれ、排雪もできない状況になっているという。
第一町自治会長の西谷弘之さん(60)は「これ以上、雨や雪が降らないでほしい。床下浸水にならないか心配だ」と恨めしそうに空を見上げた。
被害が大きい海側の高岡市伏木地区でも住民が雪かきに汗を流し、主婦岡本慶子さん(63)は「これ以上積もると本当に困る。除雪車が入れない細い道をできるだけやっておきたい」と話した。
氷見市では市道約6.7キロで融雪装置が作動しなくなった。このため、市は除雪機械を入れて対応し、小規模の陥没が新たに見つかった場所には目印となるカラーコーンを設置した。市によると、市内の道路で同様の陥没が見つかっているという。