水道出ないのに融雪稼働 七尾・河川利用、配管被害免れ 〈1.1大震災〉

断水中でも噴水のように融雪装置から出る水=24日午後2時15分、七尾市御祓町

 七尾市では24日、断水が長引く地域の一部で、融雪装置が稼働した。地震で市内全域の水道管が激しく損傷した一方、河川を利用している融雪装置の配管が被害を免れたため。市民は「水道が出ないのになぜ」「飲み水に利用できれば」と恨めしそうに融雪の水を眺めた。

 水道復旧が4月以降とされる県水道用水(県水)エリアの市役所やJR七尾駅前など市中心部、井戸水を使う断水解消エリアの旧中島町と旧田鶴浜でも融雪装置が動いた。

 七尾市によると、市中心部の融雪装置は御祓川から水を引き込んでおり、飲み水には利用できない。自己水源の断水解消地域でも融雪装置が稼働した。ただ、市上下水道課の担当者は「飲み水に必要な量が足りなくなりそうなら、融雪には利用できなくなる」と今後の降雪に身構える。

 一方、輪島市と珠洲市は断水を理由に融雪装置を稼働させていない。輪島市では井戸水のほか、河川を利用する融雪装置もあるが、ひび割れした道路から路盤に水が入り、排水管を損傷させる恐れがあるという。

 能登の各市町では、災害ごみの受け入れを見送ったり、復旧作業が遅延したりするなど降雪の影響がみられた。

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