“離島の魅力生かす” ビジネスコンテスト 最優秀賞に「ゆるりは」 発達障害児ら支援の宿を提案

最優秀賞に輝いた「ゆるりは」の岩村さん=県庁

 長崎県内離島の魅力を生かしたビジネスアイデアを競うコンテスト「ながさき『しま』のビジネスチャレンジ」の本審査会が20日、県庁で開かれた。最優秀賞には、不登校や発達障害の子ども、家族をサポートする宿泊施設を提案したオンラインコミュニティー「ゆるりは」が選ばれた。
 県が離島地域の課題解決や魅力発信、コミュニティー形成などを目的に初めて開いた。「離島内在住者」「島外在住者」、高校生を含む「学生」の3部門に計100件の応募があり、審査を経て19の個人、法人、グループが本審査会に進出。公開プレゼンに臨んだ。
 ゆるりは代表の岩村幸子さん(44)は五島市出身で大阪府在住。息子が不登校になったのをきっかけに自身も仕事を退職。孤独を感じる中で約1年前、発達障害児らの親が集う「ゆるりは」を立ち上げた。
 五島に里帰りした際、息子が「釣りがしたい」「漁師になりたい」と言うようになり「五島の体験が子どもを変えた」と実感したという。そこで今回提案したのが、五島の空き家を再生し、発達特性に配慮したキッズルームも備えた宿泊施設。家族も支援し、五島の関係人口の増加を目指すとして「島には子どもの未来を変えるきっかけがある。子どもが島で何かしたい、島に行きたいと言ったときに喜んで迎えたい」と結んだ。
 ほかの発表者からは、車を所持する高齢者が自分の買い物のついでに別の高齢者の分も運ぶサービスや、ヤブツバキを使ったジャムの開発などのアイデアが挙がった。

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