「輪島の空気吸いたい」 避難先の金沢から一時帰宅 被災者向け無料特急バス運行

輪島行きの臨時無料バスに乗り込む母と子(左2人)。やっぱり輪島がいいと避難所を退去し帰って行った=25日午前8時55分、金沢駅西口バス乗り場

 北陸鉄道は25日、能登半島地震で被災した奥能登4市町と金沢市を結ぶ特急バスの運行を再開した。1日4往復で、被災者やその親族の乗車を優先し、運賃は約1カ月無料とする。初日は金沢発の全4便に計9人が乗車した。

 金沢駅では、金沢で避難生活を送る人らが朝からバスを待ち、輪島市内の自宅に向かう女性は「輪島の空気を吸いたい」と乗り込んだ。能登町の40代女性は「身一つで避難してきた。手持ちのかばんに入る分だけの荷物を自宅に取りに行きたい」と話した。

 バス車体の前方には「がんばろう能登 がんばろう石川」のメッセージが掲げられた。宮岸武司社長は「毎日決まった時間にバスを運行し、一日も早い復興に役立ちたい」と語った。

 特急バスは輪島方面が2往復、珠洲方面と能登町方面が各1往復。いずれも金沢駅西口7番のりばを発着点に、穴水駅前、穴水此の木、のと里山空港を経由する。定員45人前後の車両で毎日運行し、予約不要で先着順となる。所要時間は4~5時間を想定している。

 各方面の出発時刻と空港以降の停留所は次の通り。
 ▽輪島市方面 金沢駅西口(午前7時半、同9時発)―のと里山空港、輪島駅前、輪島市役所(正午、午後3時発)▽珠洲市方面 金沢駅西口(午前7時発)―のと里山空港、珠洲市役所前、すずなり館前(午後3時発)▽能登町方面 金沢駅西口(午前8時発)―のと里山空港、柳田天坂、能登町役場前(午後3時発)

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