青谷工業社長に猶予刑 志賀町贈収賄で判決 金沢地裁

青谷武被告に判決を言い渡した法廷=25日午前11時半、金沢地裁

 志賀町発注工事の入札を巡る贈収賄事件で、前町長の小泉勝被告(57)に便宜を図るよう依頼し現金50万円を渡したとして、贈賄などの罪に問われた青谷工業社長の青谷武被告(83)=同町徳田=に対し、金沢地裁は25日、懲役1年6月、執行猶予3年(求刑懲役1年6月)の判決を言い渡した。

 川内真里裁判官は判決理由で「行政に対する信頼を失墜させ、入札制度の公正を害した」と指摘。会社の厳しい経営状況を改善するため、安易に不正行為に及んだ意思決定は強い非難に値すると述べた。

 公判では、青谷被告が10年前から小泉被告に賄賂を渡していたことが明らかになっており、判決は「一定の常習性も認められる」とした。一方、反省の言葉を述べていることなどを考慮し、執行猶予を付けた。

 判決によると、青谷被告は、昨年7月6日に町が実施した配水管工事の入札で、当時町長だった小泉被告に50万円を渡し、小泉被告から電話で最低制限価格827万6千円(税抜き)を聞き、同額で落札した。

 一連の事件で判決が出るのは初めて。

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