京アニ事件死刑判決 裁判員が会見「感情的にならないよう心がけたが、難しかった」

京都地裁

 36人が死亡、32人が重軽傷を負った2019年7月の京都アニメーション放火殺人事件で、殺人など五つの罪に問われた青葉真司被告(45)の裁判員裁判の判決公判が25日、京都地裁で開かれた。増田啓祐裁判長は求刑通り、青葉被告に死刑を言い渡した。

 判決後、審理に関わった裁判員4人と補充裁判員2人が記者会見に臨んだ。約5カ月の長期間に及んだ審理を終えた胸中を明かした。

 被害者参加制度で多くの遺族らが自ら法廷に立ったことについて、裁判員を務めた女性は「書面とは異なり、意見陳述した人の声やトーン、しぐさから思いを肌で感じた。感情的にならないよう心がけたが、難しかった」と話した。

 公判では刑事責任能力が最大の争点になったが、6人全員が「専門用語が飛び交い、難解だった」と口をそろえた。補充裁判員の50代女性は「(青葉被告の)精神鑑定を行った2人の医師の話には、専門的な検査方法などが出てきたりして、よく分からなかった」と明かした。

 被告人質問では青葉被告が自らの半生を語り、不遇な生い立ちが明らかになる一方で、遺族の感情を逆なでするような発言も見られた。裁判員の20代男性は「被告は法廷で全てを話すことが自分の反省だと言っていたが、遺族に反発する場面もあった。判決を聞いた被告がどう考えたかは気になる」とした。

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