避難生活の悩みに高校生耳傾け 小松大谷生、輪島被災者と対面

被災者と意見を交わす生徒=小松大谷高

 小松大谷高の生徒有志は25日、能登半島地震を受けて小松市に避難した被災者と同校で対面し、支援のあり方について意見交換した。集まった被災者は輪島市深見町の親子ら9人で、避難生活で時間を持て余していることや、体調を崩す高齢者がいることなど悩みを口にした。生徒は、子どもたちが体を動かしたり話したりする交流の場をつくるなど、自分たちができる取り組みを提案した。

 意見交換に参加した生徒は、いずれも2年で生徒会副会長の石田創大さん(17)とインターアクトDC部の森隆斗部長(同)、ボランティア部の久保伊織里部長(同)で、顧問の教諭らも同席した。

  ●ボッチャの勧め

 自己紹介の後、深見町の住民から「部屋で弁当を食べてテレビを見て、外部の人と会わずに一日が終わる」「高齢者が多く、部屋にいると足も弱る。体調が悪くなった人もいる」などの声があった。これに対して生徒側は、足腰が悪くても楽しめるボッチャなどで体を動かすよう勧め「生徒も支援に動く」と話した。

 小松大谷高は、2次避難で被災者が身を寄せる粟津温泉の宿泊施設から約2キロの距離。小松市を中心に被災地支援に取り組む市民有志グループ「チームこのへん」が、同校に協力を呼び掛けて意見交換を企画し、グループメンバーが被災者を同校に送迎した。

 今後も話し合いの場を設け、具体的な支援内容を検討する。深見町の山下茂総区長(74)は「先が見えず具合が悪くなる人もいる。心のケアで何か協力してもらえたらうれしい」と話した。輪島市河井小6年の山下純菜さん(11)は「高校生と一緒に体を動かしたり、公園で遊んだりしたい」と期待した。

 石田さんは「寒いと外出もおっくうになる。自分たちが出向いて話す機会をつくりたい」と意欲を示す。

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