重蔵神社再建振り出し 4年前復興の鳥居倒壊

再建してわずか4年で倒壊した大鳥居=25日午前11時、輪島市河井町の重蔵神社

 輪島市河井町の重蔵神社の鳥居が倒壊し、関係者から悲しむ声が上がった。鳥居は2007年の能登半島地震でも倒壊し、4年前に再建したばかり。今年はコロナ禍で停滞していた活動を活発化させようとしていた中で、氏子らに落胆が広がっている。

 神社では、前回の地震で鳥居や本殿、拝殿、末社などほとんどが損壊し、氏子が地道に寄付を募って再建を進めていた。中でも鳥居の復興は「神社のシンボルがないのは寂しい」と氏子の念願で、19年12月に再建した。

 鳥居は前回の教訓を受け震度7に耐えられる設計にしたが、今回あっけなく最上部の笠木や鳥木が吹っ飛び、本殿や末社もつぶれた。完全復興はまた一歩遠のいたが、能門(のと)亜由子禰宜(ねぎ)(47)は現在、氏子と協力して炊き出しや支援物資の配布に日々汗をかく。「今はまず生きていくことが大事。みんなで助け合っていきたい」と前を向いた。

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