北陸新幹線の福井県民アンケートで96%「観光客を歓迎したい」 生活影響は否定的な回答が54%

北陸新幹線福井県内開業をテーマにした県民アンケート結果

 観光データを分析し事業者の収益性向上を図る「福井県観光DX推進マーケティングデータコンソーシアム」は1月25日、北陸新幹線県内開業をテーマに今月実施した県民アンケート結果を公表した。96%を超える回答者が観光客を歓迎する意欲を示し、地域活性化の期待感を尋ねる項目でも肯定的な回答が目立った。一方、関西方面へのアクセス面など生活への影響については否定的な回答も多かった。

 設問は15項目あり、プレゼント企画応募者に協力を求め、1314人から回答を得た。

 来県する観光客を歓迎したいか尋ねたところ「とてもそう思う」「そう思う」「ややそう思う」を合わせた肯定的回答は96.7%だった。北陸新幹線の県内開業で地元市町に良い影響があると思うかという質問では、肯定的回答が計66.7%となり、理由記述(任意)では観光客増による経済効果や、にぎわい創出に期待する意見が目立った。

 一方、新幹線延伸が自身の生活に良い影響をもたらすか尋ねると、否定的回答が計54.0%となった。理由では、乗り換えの回数が増えて関西方面へのアクセスが悪くなるという意見や、目的地までの運賃上昇を指摘する記述があった。

⇒福井―大阪・名古屋は3分短縮も乗り換え必須

 結果は県内市町などと共有し、観光施策に生かす。福井県観光連盟の佐竹正範・観光地域づくりマネージャーは「住民との交流や温かいおもてなしは観光客の満足度を高める不可欠な要素であり、歓迎意欲の高さを示す今回の結果は心強い。住民、観光事業者、観光客の『三方よし』の実現を合言葉に、引き続き機運アップに努める」と話している。

 コンソーシアムは福井銀行の観光地域商社「ふくいヒトモノデザイン」を代表企業に県観光連盟、福井新聞社などの企業・団体で構成している。

© 株式会社福井新聞社