能登半島再起へ越前和紙のネットショップ「ワシマ」臨時開設 若手職人、売り上げ被災地に寄付

能登半島地震の被災地支援で開設された越前和紙のオンラインマーケット「ワシマ」のホームページ

 能登半島地震の被災地を支援しようと、福井県の越前和紙の若手職人有志が期間限定で運営しているオンラインマーケット「ワシマ」を臨時開設した。和紙詰め合わせなどを販売し、売り上げは送料など経費を除いて全て被災地に寄付する。災害復興や伝統工芸の職人たちの再起を後押ししたいとしている。

 ワシマは2020年、製紙業者が来場者に直接和紙を販売する恒例のテント市が新型コロナウイルス禍で中止となり、代わりに購入の機会を設けようと運営をスタート。紙の神様を祭る岡太神社・大瀧神社の例大祭が開かれる時期などに期間限定で開設してきた。

 能登半島地震で甚大な被害にあった輪島塗など石川県の伝統工芸産地の現状を踏まえ、若手職人有志が「被災地には同じ伝統工芸に携わる方も多く、私たちにできることで支援につなげたい」と今回の開設を決めた。1月19日に販売を始めた。

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 ホームページ(HP)に商品一覧を掲載。有志メンバーの各工房から集めたA4サイズ和紙、ポストカード、色紙カードなどを詰め合わせた福袋(3千円~1万円)、墨流しを施した名刺用の手漉き耳付き和紙100枚(7千円)などが並ぶ。1万円以上の購入で送料無料とする。開設は2月22日まで。商品は期間終了後に順次発送する。

 寄付先は、伝統工芸産地の支援につながる窓口を検討している。有志メンバーの一人、長田製紙所(越前市大滝町)の長田泉さんは「寄付は個人でも法人でもできるけれど、工芸の産地としてできることもしていきたい」とし、協力を呼びかけている。

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