若手育成へ 長崎県警の大村署員一丸 「O-GAT」で街頭活動強化 

O―GATオリジナルTシャツを着る柴田巡査部長(右)と西田課長=大村署

 さまざまな行動に制約があった新型コロナウイルス禍。警察官も同様で、若手は防犯などノウハウを学ぶ場が以前より減っていた。長崎県警大村署は本年度、街頭活動を強化するキャンペーン「O-GAT(オーガッツ)」を署内で始動。おそろいのTシャツで結束し、若手のスキルアップを図っている。
 O-GATは「大村署街頭活動アクティブチーム」の頭文字を取った言葉。若手からベテランまで一丸となり、パトロールなど犯罪抑止につながる街頭活動を推進している。
 新型コロナ禍で大規模イベントが中止となり、雑踏警戒の機会に乏しく、感染防止のため巡回連絡を制限された時期もあった。同署の西田友和地域課長(48)は「O-GATはコロナ流行時に勤務を始めた若手にノウハウを伝える目的もある」と話す。
 キャンペーンは特別な研修を実施するわけではなく、あくまで業務における意識付けが中心。署の一体感とモチベーションを高めようと、オリジナルTシャツを製作した。デザインしたのは同課の柴田良子巡査部長(43)。名称にちなみ、ガッツポーズを意味するこぶしを力強く描いた。
 自転車盗難防止を呼びかける活動や、交流サイト(SNS)での広報などの際に着用。署員同士の会話の種になり、コミュニケーションにも一役買っているという。
 O-GATの成果は-。同課によると、万引防止や駐輪場の警戒、自転車乗車時のヘルメット着用呼びかけなどで若手が自主的に街頭へ繰り出したり、ベテランが若手に指導したりといった報告が多く上がっているという。
 若手からは「技能が身に付いてきた」という感想も。西田課長は「みんな考えて仕事をしていることがうれしい。若手も頑張りたいという意識があるので、さまざまな機会を捉えて声をかけたい」と語った。

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