材料調達難しくなり… デザイン角巻発表会、有終の美 弘前実業高(青森県)服飾科

後輩たちの前で最後のデザイン角巻を披露する3年生
本年度作ったデザイン角巻10点を身にまとう生徒ら

 材料となる角巻の調達が難しくなったため、今回の開催が最後となる「デザイン角巻」の発表会が24日、青森県弘前市の弘前実業高校体育館で開かれた。同校服飾デザイン科の生徒たちは、地吹雪や五所川原立佞武多(たちねぷた)など地域色豊かな題材をモチーフにしたり、食べ物のパフェをイメージしたりするなど斬新なデザインの角巻を披露し、有終の美を飾った。

 デザイン角巻は冬の青森県観光活性化を目指す「あおもり冬活会議」(議長・蝦名正治ホテル青森社長)が同校の協力を得て2011年から始め、13年間にわたり同校の恒例行事として校内外で注目を集めてきた。生徒たちはグループごとに県内のホテルや観光施設など9企業・団体と打ち合わせを重ね3カ月かけ仕上げた。

 新作をまとった3年生は、自分たちで選曲した音楽に合わせてポーズを取り、背中側や内側の模様をアピールした。日本航空青森支店チームの齊藤世梨花(せりか)さん、中村蓮桜(れお)さん、齊藤真心(まこ)さん、成田未羽さんのグループは「青森から世界に羽ばたく」との思いを込め、内側にはリンゴや桜をイメージした刺しゅうを、外側にはフェルトで作った30カ国以上の国旗を縫い付けた。リーダーを務めた世梨花さんは「これからも角巻を忘れないでいたい」と話した。

 同会議事務局長の角田周さん(70)は「復活を望む声は既に届いている。角巻にとらわれず津軽の文化を生かした取り組みを考えていきたい」と話した。

 同会議はデザイン角巻を会員事業所7カ所で巡回展示する予定。問い合わせは同会議事務局(電話080-3195-4036)へ。

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