「夏は自分たちの力で」 センバツで富山北部高、前向く

落選の報を受けた後、練習で打撃力を磨く富山北部ナイン=富山北部高

 選抜高校野球大会の21世紀枠で北信越候補校に選ばれていた富山北部に吉報は届かなかった。3年前に水橋との連合チームで同枠候補に残るも落選し、2度目のチャンスを伺ったものの甲子園の夢はつかめなかった。選手たちは無念さを振り払うかのように前を向き「夏に自分たちの力で甲子園に行く」と力を込めた。

 26日午後3時すぎ、21世紀枠の2校が発表されると、校長室で中継を見守った笹野祐輔監督は穏やかな表情でうなずいた。「前回よりチームとしてパワーアップして(今回の選考を)迎えられた。やってきたことが無駄になることはない」と納得の口ぶりだった。

 部員35人はピロティに集まり、宮池秀洋校長から落選の報を伝えられた。ナインは冷静に受け止め、大野晃主将(2年)は「やってきたことを自信に変え、悔しさを糧に今までより質のいい練習をして甲子園に出場し、勝利を収めたい」とさらなる努力を誓った。

 部員自らが練習メニューを考え、冬場は昨年より300本多い1日1300本の打撃練習に取り組んだ。能登半島地震で避難した部員もおり、被災後は自発的に地域住民に募金を呼び掛けて約44万円を集めた。明るさが売りのチームは夏の富山大会頂点へ、すぐさま練習を再開し力強くバットを振っていた。

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