スタッドレスタイヤでも油断禁物 大雪の交通トラブル要請に駆けつけるロードサービスJAF 若手職員の1日に密着 

24日、今シーズン1番の寒波の影響で全国各地で大雪に。この影響で交通トラブルも相次ぎました。そんな中、一日中大忙しとなったJAFの若手職員に密着しました。

今季最強寒波の到来で各地で大雪となり、1月24日は岐阜市内で14センチ、岐阜県本巣市樽見で51センチの積雪を観測しました。この雪の影響で名神高速では一時、約800台の車が立ち往生した他、路面の凍結によるスリップ事故など各地で交通トラブルが相次ぎました。

ピンチの時に現場に駆けつけてくれて、頼りになる存在なのがロードサービスの「JAF」です。

(JAF 岐阜北基地・篠田恭兵さん 27歳)
「今シーズンではダントツで雪が多いですね。最近でも年に一回あるかないかぐらい」

JAF岐阜北基地に所属する篠田恭兵さん27歳。これまでの7年のキャリアの中でも、今回の積雪量は1、2を争うほどだと言います。

24日は午前8時に出勤すると、早々に救助要請が舞い込みます。救助要請があったのは基地から約13キロ離れた大野町。普段なら40分ほどで到着する距離ですが…

(JAF・篠田さん)
「道がガタガタ、ぼこぼこになっていますね。注意注意」

雪の影響で道路の状態が悪い上に渋滞していたため、いつもの倍以上となる約1時間半かかって、ようやく現場に到着しました。

救助を要請したのは軽トラックを運転していた男性で、反対車線から来た除雪車のスペースを確保しようと道路脇に車を寄せたところ、そのままスタックして動けなくなったということです。

話を聞いた篠田さん。早速タイヤ周りの雪を取り除き、電動ウインチワイヤーで引っ張ること30分。ようやく脱出に成功しました。

「ノーマルタイヤが一番の理由。タイヤが空転している」

(JAF・篠田さん)
「20~30キロで走ればいいと思いますので。無理だったら、またそこで止まってもらえれば救助に行きますので」

動けなくなった原因は、道路と道路脇の境界が雪で見えなくなっていたことでした。

(JAF・篠田さん)
「滑り止めがあれば、まだ動いたかなって感じ」

休む暇も無く、すぐに次の依頼が飛び込んで来ます。自宅前に停めてあった車が大雪で動かせなくなり、救助要請が入りました。ここでも30分ほどかけて救出に成功しました。

救助を要請した2台の車には、ある共通点がありました。

(JAF・篠田さん)
「ノーマルタイヤというのが一番の理由。タイヤが空転している状態だった」

ノーマルタイヤで雪道を走ると、スタックした際にタイヤが路面をつかむ力がなくなり、車が動かせなくなることがあるといいます。

(JAF・篠田さん)
「年に何回かしか雪は積もらないと思いますけど、スタッドレスタイヤで走行してもらうのが一番安全」

しかし、スタッドレスタイヤだからと言って油断は禁物です。

「朝、大急ぎでスタッドレスに取り換えたのに…」

こちらの男性はドラッグストアの駐車場に車を止めようとしたところ、雪で歩道の縁石に気づかずタイヤを乗り上げた後に溝にはまり、その衝撃でタイヤがパンクしてしまいました。

(救助を要請した男性)
「こっち向けに入ろうと思ったら、ガッチャンと乗り上げた。朝、大急ぎでスタッドレスに取り換えたのに」

篠田さんは車を溝から出すと、早速タイヤの交換に取りかかります。

(JAF・篠田さん)
「普段使わないので土が(タイヤに)ついてますね」

(救助を要請した男性)
「何年分のほこりかわからない」

約2時間で車を救出すると篠田さんは満足げな表情を見せます。

(JAF・篠田さん)
「うれしいですね、やりがいがいっぱいあるんで」

この日、午前8時から午後6時までの10時間で、JAFが岐阜県内で車のトラブルに対応したのは160件。

篠田さんも一日で4台の車の救助作業に携わりました。

(JAF・篠田さん)
「きょう一日の勤務は一番に近いぐらい大変な一日でした」

午後6時半、大変な一日の終わりに篠田さんが取りだしたのは手作りのお弁当、同居する母親が作ってくれました。

(JAF・篠田さん)
「朝は家で、ご飯を食べてきたんですけど、そこからは食べていないですね。めちゃくちゃうまいです」

翌日も篠田さんは夜勤で基地に出勤しています。若い情熱が岐阜の交通トラブルを縁の下で支えます。

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