東北中央道、村山以北で交通事故多く 23年、県内高速道の3割超

延伸に伴い交通量が増加し、交通事故が多発している東北中央自動車道新庄インターチェンジ付近=新庄市(画像を一部加工しています)

 昨年、県内の高速道路で発生した交通事故は791件(速報値)で、このうち3割以上の266件が村山市以北の東北中央自動車道で発生したことが27日、県警高速隊への取材で分かった。東北中央道は2022年の延伸で交通量が増加。片側1車線の直線区間も多く、ぼんやり運転を招きやすい―などが要因と同隊は分析する。県内でも雪の多い地域を通ることから、県警は警戒を強めている。

 東北中央道は22年10月29日、東根北インターチェンジ(IC)―村山本飯田IC間が開通し、県内区間は全てつながり、首都圏から新庄市まで直結した。開通直後の同年11月の交通量調査で東根北―村山本飯田は1日平均約1万4300台で、開通前の約1.2倍に増えたという。大石田村山―尾花沢や福島大笹生―米沢八幡原など、他区間でも交通量は増加していた。

 東北中央道で事故が多い要因について、県警高速隊は交通量の増加だけでなく、単調な直線道路が多いことで、ドライバーの注意力が低下する可能性があるとみている。本県内陸部を縦貫し、生活道路としての側面もあり「高速道路のルールやマナーが守られていないケースもある」と担当者は指摘する。

 新たに開通した村山市以北は本県でも冷え込みが厳しく、雪も多い地域の一つだ。比較的暖かいとはいえ、厳寒期に入り、雪による視界不良や路面凍結によるスリップなどの危険性も高まっている。道路管理者の国土交通省山形河川国道事務所は、朝の通勤時間帯や夕方の帰宅ラッシュ時などを中心に、路面に凍結抑制剤を散布するなど、事故抑止に努めている。ただ、万能ではなく、過信は禁物だ。

 同隊は冬期間の事故防止のため、昨年末から2月まで、交通機動隊の応援を受け、警戒や取り締まりを強化している。高速隊の担当者は「高速道路を走る際は一般道以上に車間距離をとり、“急”の付く操作をしないでほしい」と呼びかけている。

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