まつやま大寒能、気品高く 酒田で上演

「まつやま大寒能」で上演された能「高砂」の一場面=酒田市・松山城址館

 酒田市松山地域で伝承されている県無形民俗文化財・松山能の「雪の能 まつやま大寒能」が27日、同市松山城址館で上演された。夫婦愛や長寿を描いたおめでたい能「高砂」を地元住民たちが演じた。

 高砂の浦を訪れた神主が老夫婦から夫婦和合の象徴である「相生の松」について教えられる筋書き。演能団体・松諷社(榎本和介会長)の会員が能面と白髪のかつらを着け、夫婦を気品高く演じた。後半では、住吉明神が天下太平を祝福する荘厳な舞を舞った。

 狂言2作品も演じられ、「盆山」は松山能としては初めて女性のみが演者を務めた。松山小児童による子ども狂言「きのこ山伏」では、笠をかぶってキノコを演じる子どもたちが、観客の笑みを誘った。松山能振興会(小田和夫会長)が主催し33回目。約150人が訪れ、立ち見が出るほどの人気ぶりだった。

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