大相撲初場所、いよいよ千秋楽 元幕内大岩戸の上林さん「琴ノ若、勝機ある」

上林義之さん(元幕内大岩戸)

 大相撲初場所14日目は27日、東京の両国国技館で行われ、関脇琴ノ若(26)=佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若・尾花沢市出身)の長男=が12勝目を挙げ、初優勝を懸けた千秋楽に臨むことになった。大関昇進への県民の期待も高まる。本紙で「結びの一話」を執筆している上林義之さん(42)=鶴岡市出身、元幕内大岩戸=は同日、山形新聞の取材に「勝つ可能性は十分にある。普通に戦えば結果は出る」と展望した。

 琴ノ若はこの日、大関霧島との大一番を制し、2敗を守った。立ち合いが合わない場面が2度あったが、上林さんは「どのような心理状況だったにせよ、結果的に大関を相手に勝利を収めた。相当な自信になったはずだ」と説明した。

 今場所、琴ノ若は連敗していない。上林さんは、終盤まで優勝争いに加わった昨年11月の九州場所など経験を積み重ね、たくましさが増した印象と評した。今場所10日目に新入幕・大の里との1敗対決を制した取組を「負けられない重圧を乗り越えた」とし、危なげない土俵の要因を「考え過ぎるとふらついてしまうが、腰の構えがどっしりとしている」と分析した。

 千秋楽では、横綱照ノ富士との優勝決定戦にもつれ込む可能性もある。上林さんは「照ノ富士には一度負けているので、反省を踏まえて戦えるのではないか。琴ノ若は追う立場。淡々といつも通りに頑張ってほしい」と語った。

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