【台湾】23年12月の景気指数、前月から横ばい[経済]

台湾の国家発展委員会(国発会)が26日発表した2023年12月の景気概況の総合判断指数は前月から横ばいの20で、22年8月(23)以来の高さを維持した。景気信号は安定と低迷の間を表す「黄青」で、23年11月と同じだった。

総合判断指数を構成する9項目のうち、「株価指数」は3カ月連続で繁栄を表す「赤」。「非農業部門就業人数」は8カ月連続で安定を表す「緑」を維持した。

「輸出額」は、新興テクノロジーの応用による商機を背景に緑から赤に上昇した。一方、「卸売・小売・飲食業の売上高」は緑から低迷を示す「青」に下落した。世界的な最終製品の需要低迷や春節(旧正月)のずれ(24年は2月、23年は1月)で在庫補充時期が後ろ倒しになったことなどが影響した。

「製造業営業気候観測ポイント」は4カ月連続で黄青となった。

「マネーサプライのM1B(現金・預金通貨の合計)」は5カ月連続、「機械・電気設備の輸入額」は11カ月連続、「工業生産指数」は16カ月連続、「製造業販売量指数」は18カ月連続で青となった。

国発会は今後について、サプライチェーン(供給網)の在庫消化に伴う調達需要や世界貿易の回復、人工知能(AI)など新興テクノロジーの応用拡大が輸出の押し上げ要因になると指摘。また半導体業者が先進製造プロセスへの投資を続けることや、企業がネットゼロやデジタルトランスフォーメーション(DX)に対応するため関連の設備を引き続き導入することで、投資が促されるとの見通しを示した。

また労働市場の安定維持、最低賃金の引き上げなどで市民の可処分所得が増え、消費を促すと見通した。

一方で、各国・地域の金融政策、米中の摩擦、ロシアのウクライナ侵攻、イスラエルとイスラム組織ハマスの衝突、紅海の問題など地政学的なリスクが世界経済に及ぼす影響に注意が必要だとした。

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