大分市松岡地区の活性化へ住民がイベント企画 第1弾は寺巡りウオーク【大分県】

「まつおかウオーク」で寺を回って楽しむ参加者ら
チェックポイントでスタンプを押す「まつおかウオーク」の参加者ら

 【大分】大分市松岡校区で、地元住民が主体となって地域活性化に取り組んでいる。事業所関係者や生徒らにもアイデアを出してもらい、昨秋には初の企画として、地区内の寺を巡るウオークラリーを開いた。自然や歴史に触れる複数のイベント案が挙がっており、関係者は「できるものから実現したい」と意気込む。

 高齢化が進む同地区。新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、地域行事が縮小傾向にあった中、住民有志らでつくる「まつおか活性化検討委員会」が2022年、発足した。

 自治会やジャパンセミコンダクター大分事業所、パークプレイス大分、松岡小、大東中などの関係者21人が委員となり、同7~9月に会合を3回実施。松岡の魅力を発信できる企画案を考えた。

 議論でまとめた案は、▽川下りなど大野川の活用▽集めたごみの重さを競うごみ拾い大会▽フリーマーケット―など。投票などで優先順位を決め、同10月に上位組織の「松岡校区まちづくり協議会」に提言した。

 松岡の地域や歴史を学ぶウオークラリーは「最優先で実現してほしい」と求めたイベントの一つ。開催決定後、実行委員会(13人)が中心となって内容を詰めた。岩見聡大委員長(43)は「地域に複数の寺があることに着目し、既存の歴史マップも参考にしてコースを決めた。知らない道や歴史があることに気付くきっかけになった」。

 昨年11月、「第1回まつおかウオーク」と題して催した。松岡小を出発し、龍泉寺、長興寺、浄雲寺のうち2カ所を回って公民館を目指す2コース(2.6キロと3.6キロ)で、約100人が参加。各寺では関係者が寺の歴史などを解説。参加者はスタンプを集め、ゴール地点で景品が当たる抽選会も楽しんだ。

 家族と歩いた松岡小1年の渡部楓奈(ふうな)さん(7)は「いろいろな場所を見て面白かった」、検討委の会合を主導した筒井昌一さん(69)は「地域活性化の思いが一つの形となった」と、それぞれ笑顔を浮かべた。

 検討委では、将来的に実現してほしい事業として「体験農園」や「自然散策マップの作成」などの案も挙がっている。協議会の平野信行会長(75)は「多くの人が集い、触れ合える機会をつくっていきたい」と話した。

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