空き家×芸工大生→まち活性化 山形で加藤講師がプロジェクト

空き家の活用策を考えようと、東北芸術工科大の学生たちが参加した見学ツアー=山形市

 空き家所有者と東北芸術工科大(山形市)の学生を結び付けて市街地活性を図ろうと、同大建築・環境デザイン学科の加藤優一講師による「空き家活用プロジェクト」が、山形市内で展開されている。空き家見学ツアーが28日に開かれ、印役町や七日町の空き家6軒を学生らが見学し、今後の活用策について意見を交わした。

 加藤講師は東京で銭湯付きアパート、新庄市では古民家再生を手がけた実績があり、国土交通省モデル事業として本年度は山形市と長野県松本市で空き家活用に取り組んでいる。山形市のプロジェクトでは、芸工大のゼミ生を関わらせている。

 見学ツアーは、所有者と1~3年の学生約10人などが参加した。築70年ほどの住宅や車庫を古本屋にしたいと所有者が考えている物件を回った。両親が住んでいた築48年の木造3階建て住宅を所有する東海林弘和さん(59)=山形市=は「空き家を活用し子どもに卓球を教えたい」と話し、部屋数が多いことから、学生は「ゲストハウスも良さそう」などと話していた。

 今後、学生が所有者の思いを考慮しながら活用策を練り、4月に提案する予定。加藤講師は空き家対策の多様な可能性を示し「空き家を空間的資源、学生を人的資源と捉えて結び付け、明るい活用策を提案したい」と話した。

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