NYタイムズ効果? 岩手県での訪日客のカード支払額が2.8倍に

盛岡駅構内の大地館で土産品を選ぶ訪日客。2023年7月時点で本県でのクレジットカード利用額がコロナ禍前を上回った

 訪日客がクレジットカードを利用して岩手県で支払った金額は、新型コロナウイルス禍前を上回ったことが三井住友カード(東京)の調査で分かった。2023年7月時点のまとめで19年同月より2.8倍に伸び、回復率は全国3位に。米ニューヨーク・タイムズ紙で盛岡市が特集された効果が一因とみられる。

 盛岡駅構内の大地館(氏家恵美店長)では土産品をカード決済で手に入れる訪日客の姿が見られた。オーストラリア・シドニーから訪れたアロワン・クエンさん(46)は「東北や北海道を回り、岩手では猊鼻渓に行った。買い物では使う金額に合わせてカードと現金を使い分けている」と品定めした。

 三井住友カードの加盟店で、訪日客がカード決済した金額の匿名データを集計した。都道府県別では23年7月の本県の利用金額が19年同月比で279.5%となり、回復率は和歌山県、山形県に続く3位。都市部よりも東北などの地方で回復率が高い傾向だった。

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