及川栞、激闘の最終予選を振り返る 「うれし涙出たのは初めて」

最終予選で選手に贈呈された「パリ五輪切符」を手に笑みを浮かべる及川栞。過去最高の「ベスト6」を目指す=盛岡市・岩手日報社

 ホッケー女子日本代表で岩手県岩手町出身のDF及川栞(しほり)(34)=東京ヴェルディ、不来方高-天理大=は29日、盛岡市内丸の岩手日報社を訪れ、今夏のパリ五輪出場を決めた激闘を振り返った。開催国インドに1-0で勝った最終予選3位決定戦について「試合中は目の前の一瞬を戦うだけ。何も考えられなかったが(試合終了の)ホーンが鳴った瞬間に『パリだー』ってなった。今までのキャリアで一番の瞬間。うれしくて涙が出たのは初めての感情だった」と喜びを語った。

(聞き手は村上弘明)

 -日本代表として6大会連続の五輪切符を獲得した。現在の心境は。

 「ここ数年はクリスマスも年末年始もトレーニングだった。岩手にゆっくり1週間も帰省できるのはいつ以来か、記憶がないくらいですよ」

 -パリ五輪の組み合わせが決まり、日本はオランダ、ベルギー、ドイツ、中国、フランスと争うA組。4位までが準々決勝に進出する。

 「最終予選直後は『五輪が決まり、ひと安心』と思っていたが、組み合わせを見せたら、強豪ばかりで隙がない。『中国、フランスに勝って、ここは引き分けて』などと自分なりのシナリオが描けない。さすが五輪というか、いよいよ五輪だなと感じる」

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