小坂(山形中央高出)圧巻、狙って連覇 国スポSスケート成年女子1500メートル

〈成年女子1500メートル決勝〉2連覇を達成した小坂凛(KHネオケム・山形中央高出)=北海道苫小牧市ハイランドスケートセンター

 第78回国民スポーツ大会冬季大会スケート、アイスホッケー競技会は30日、北海道苫小牧市で競技が繰り広げられた。スピードスケートは同市ハイランドスケートセンターで11種目を行い、県勢は北京冬季五輪代表の小坂凛(KHネオケム・山形中央高出)が成年女子1500メートルで昨年に続く優勝を果たした。

 1500メートルでは、少年女子で大窪菜緒(山形中央高)が準優勝し、重堂沙姫(同)が6位だった。成年男子では森野太陽(日体大・同)が3位に入った。成年女子は高橋美生(大東大・同)が5位となり、少年男子の鈴木藍成(山形中央高)は7位だった。

 5000メートルは成年男子で森野、少年男子で小谷謙太朗(同)と鈴木が決勝(12人)に進んだ。2000メートルリレーは少年男子の県選抜(鈴木、高谷楽人、小谷瞭太朗、小谷謙)と成年女子の県選抜(真野美咲、鈴木杏菜、高橋、小坂)が、それぞれ4チームで争う決勝進出を決めた。成年男子の県選抜(小谷駿太朗、ウイリアムソン師円、小野俊、森野)はB決勝(5~8位決定戦)に駒を進めた。

 31日はスピードスケートの最終日で1000メートル、3000メートル、5000メートル、2000メートルリレーの決勝が行われる。

ラスト1周、一気に抜け出す

 【ヒロイン】優勝だけを狙い圧巻の滑りで達成した。小坂凛(KHネオケム・山形中央高出)が成年女子1500メートルで2連覇。集団の中で体力を温存し、最後に爆発的な力で抜け出して勝利をつかんだ。「良い位置取りができて、余裕を持って飛び出せた」。高い実力に加え巧者ぶりを見せつけた。

 ゴールまでに7回あるチェックポイントを先頭で通過する「責任先頭」が1回課せられるレース。ラスト1周に勝負を懸ける作戦で臨んだ。

 中盤には山形チームの後輩で同走の高橋美生(大東大・同)が先頭責任をクリアし、激しい競り合いの中で奮闘する姿が励みになったという。「最後は私の番だ」。残り500メートルからギアを上げ、バックストレートに入ると一気に速度をアップ。あっという間に先頭をかわし、そのままゴールラインを通過した。

 ゴール後は観客席の歓声に手を振って応えた女王は「レース中は山形の関係者が旗や応援のタオルを掲げているのが見え、パワーをもらった」と笑顔で語った。高校で飛躍の時を過ごした。今回も本県のチームに大きく貢献する結果を出し、安堵(あんど)の表情ものぞかせた。「応援に応えるために3000メートルも頑張りたい」。2年連続の2冠達成を誓った。

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