豊後大野市の田中町珈琲店、県内初「シェア型図書館」 本好きが集うスペースとして人気【大分県】

シェア型図書館併設の喫茶店「田中町珈琲店」を開いた佐伯達也さん=豊後大野市大野町田中
50区画が並ぶシェア型図書館。利用者が区画を借り、好きな本を並べられる
県内初のシェア型図書館を併設した「田中町珈琲店」

 【豊後大野】豊後大野市大野町田中の喫茶店「田中町珈琲(コーヒー)店」は、県内初の「シェア型図書館」を併設している。利用者が料金を払って本棚を借り、自分の好きな本を並べるシステム。来店客がそこから本を選んでコーヒーを飲みながら読んだり借りたりすることができ、本好きが集うスペースとして人気となっている。

 シェア型図書館は近年、広がりを見せている新たな形態。「面白いと思った本を誰かに薦めたい」「自分の趣味を他人と共有したい」「仕事関連の本を置いて自分の職業を知ってもらいたい」などと借りる人が多いという。

 店内には本棚(幅40センチ、高さ23センチ、奥行き30センチ)が50区画ある。各区画に自己紹介のボードが掲示され、置かれたノートを通じて本を読んだ人と交流を楽しむこともできる。

 1区画の利用料は月2千円(高校生以下千円)で、登録料やブックスタンド費用などとして初期費用2千円が必要。特典として、毎月千円相当の店内商品(ドリンク、コーヒー豆など)がもらえる。

 経営する佐伯達也さん(39)は、東京からUターンして昨年10月に店を開いた。東京で会社勤めをしていた時にシェア型図書館の存在を知り、「日常生活で自分の趣味を披露することはない。カフェをオープンする際はぜひやってみたい」と計画していたという。

 佐伯さんは「他人から薦められた本を読むと自分の世界が広がる。本棚を通じ、いろいろな人が集まり、さまざまな発見ができる場になれば」と思い描いている。

 開店は午前9時(土、日曜と祝日は同8時)~午後5時。火曜定休。

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