中学校の休日の部活動を廃止へ…理由は 福井市教委方針、2025年度末で

福井市役所

 公立中学の部活動を地域クラブなどに委ねる「地域移行」について福井県の福井市教育委員会(市教委)は1月29日、休日の活動を2025年度末で廃止する方針を示した。平日の活動は継続。休日は生徒が地域団体が運営するスポーツクラブや文化芸術団体の活動に参加できるよう市教委が中心となって家庭や学校、地域との連携を図る。現在の小学6年生については、中学3年で臨む26年夏や秋の大会まで休日の活動を継続するか学校判断に委ねる。

 市役所で総合教育会議が開かれ、西行茂市長と吉川雄二教育長、教育委員4人が参加。市教委が地域移行に向けたこれまでの経過や、少子化で学校単位の活動ができなくなりつつあること、教員の働き方改革など課題を報告した。

 廃止時期は国の示す改革推進期間に合わせた。26年時の中3生は引退時期を配慮し、チームとして大会終了まで休日の活動を継続するかは各校で判断する。市が把握する中学生が参加できる可能性のある団体は公民館の自主グループも含めて約290あり、今後協議を進めていく。

 委員からの「保護者には地域移行は学校の部活をそのまま地域団体に任せるものとの理解がある」との指摘に対し、市教委は「地域移行は生徒が好きな活動を選び参加できる環境を整えることで、参加しないという選択肢もあるという認識の切り替えが必要だ」との見解を示した。このため市教委は今後、情報誌を製作して市ホームページに方針を掲載し、保護者には随時メールで知らせるとした。児童向けの発信も考えていく。

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 会費など受益者負担の考え方や、移行期間における補助の在り方についても質問が出た。市教委は国や他市町の事例を参考に検討を進めるとした。

 市教委が1、2年生を対象に実施した調査では、部活動に参加しているのは回答した約3700人のうち9割。地域クラブ活動に参加している生徒が平日、休日を含めて4割にのぼる。

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