停電生活から解放 県内ほぼ解消、住民安堵

電力メーターを操作する作業員=31日午後2時10分、輪島市三井町長沢

 北陸電力グループなどは31日、電気の供給がストップした地域で復旧作業を続け、同日で石川県内のほぼ全ての地域の停電が解消された。輪島市三井町長沢の民家では1カ月の停電生活から解放された住民が「良かった。これで普通の生活に近づいた」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

  ●三井で通電作業

 同地区では北電グループの社員ら8人が約40世帯を回った。通電火災の恐れがあることから、住民に立ち会ってもらい、高所作業車に乗って送電線から電気を流した。

 1月2日から自宅で暮らしている会社員の田中雄二さん(38)は「夜は懐中電灯を使って暮らしていた。ようやく電気が通り、だいぶ生活しやすくなる」と顔をほころばせた。ビニールハウスの避難所で過ごす滝下光子さん(81)も自宅の停電が解消。地下水を引いており「ボイラーが使えるようになった。これでシャワーができるようになる」と喜んだ。

 住民不在の民家では、作業員が電力メーターを操作し、了解を得られ次第、すぐに通電できるよう準備を整えた。北電送配電七尾配電部保守サービス課の馬藤康副課長は「今後も一軒一軒回り、停電を解消していきたい」と話した。

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