冬山と極地のノウハウ共有 国立登山研(立山町)と国立極地研(東京)連携協定

協力関係の発展を確認する米山所長(右)と野木所長

 国立登山研修所(富山県立山町芦峅寺、米山隆所長)と国立極地研究所(東京、野木義史所長)は31日、包括連携協定を結んだ。それぞれが活動している冬山と極地で得たノウハウを共有し、より安全な冬山登山や極地観測につなげる。

 1956年の第1次南極観測隊には、芦峅寺の立山ガイド5人が参加。昭和基地建設に携わり、南極観測の礎づくりに貢献した。67年に芦峅寺に設置された登山指導者養成施設の同研修所は長年、同研究所の南極観測隊の事前訓練に推薦講師を派遣するなど協力してきた。

 協定締結は、こうした協力関係を発展させるのが狙い。冬山と極地での高いレベルの知見や経験を持つ両機関の人材交流と資源の利活用を進める。

 同研修所で調印式があり、協定書を取り交わした。米山所長は「長く連携してきた協力関係を一層充実させたい」と語り、野木所長は「人的交流や資源の利活用で連携を深め、安全登山の普及にも貢献したい」と述べた。

協定書を交わした米山所長(右)と野木所長
協定書を交わした米山所長(右)と野木所長

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