福井県内の被害12億円超…相次ぐ「国際ロマンス」「非対面型投資」詐欺、その手口は 2023年、県警「極めて深刻な状況」

「ロマンス詐欺」のメッセージの一例(福井県警提供)

 交流サイト(SNS)を利用し、恋愛感情を抱かせて金銭をだまし取る「国際ロマンス詐欺」と、投資を勧める「非対面型投資詐欺」の被害が福井県内で相次いでいる。昨年1年間の二つの詐欺被害相談件数は計146件で、被害推定金額は計約12億4200万円に上り、今年に入っても非対面型投資詐欺が14件、計約1億1250万円(1月26日現在)となっている。

 県警は「極めて深刻な状況」と危機感を示し、「感情をゆさぶり、金をだまし取ろうとする巧妙な手口に警戒してほしい」と注意を促している。

 国際ロマンス詐欺は、外国人または海外居住者をかたってSNSなどでやりとりし、「あなたの国で一緒に暮らしたい」などとうたい、恋愛感情や親近感を抱かせる。その後、投資を持ちかけたり、「一緒に事業をしよう」などと誘ったりして金銭を振り込ませる手口。

 県内の被害者は男性7人、女性8人の計15人。いずれも30歳以上で、50代が最も多く5人。被害推定額は計約1億3100万円で、1人当たりの最大被害額は約5800万円だった。出会いのきっかけはSNSが10件、マッチングアプリが5件だった。県内の40代男性は昨年3月ごろ、SNSを通じて知り合った自称「マカオ在住の女性」とやりとりして親しくなり、暗号資産(仮想通貨)の取引を勧められた。架空サイトに誘導され口座を開設し、計700万円を入金しだまし取られたという。

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 非対面型投資詐欺は、主にSNSで投資を勧められる手口。偽の投資サイトやアプリから指定された口座に送金した後、連絡が取れなくなるという。県内で被害に遭ったのは20代以上の131人で、被害推定額は計約11億1100万円。1人当たりの最大被害額は約9500万円だった。年代別では50代が40人で最も多かった。

 県警生活安全企画課は「インターネット上の人間関係は安易に信頼しないでほしい。不審に思ったら、周りの人や警察に相談を」と呼びかけている。

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