「ようやく片付け進む」 珠洲、輪島で災害ごみ回収 仮置き場開設、業者回る

開設された災害ごみの仮置き場に布団などを運び込む住民=1日午前9時20分、珠洲市蛸島町

 能登半島地震の発生から1カ月となった1日、輪島市と珠洲市は災害ごみの回収を始めた。珠洲市では仮置き場が開設され、テレビや木造家具など廃棄物を積んだ軽トラックや乗用車が並んだ。ごみを持ち込んだ住民は「家の片付けがようやく進む」と話し、復旧、復興への一歩前進を喜んだ。輪島市の中心部では業者が各家庭を回り、ごみを集めた。

 珠洲市蛸島町鉢ケ崎の海水浴場駐車場に仮置き場が開設され、朝から住民が軽トラックなどに家具や布団、木くずなどを積み、運び込んだ。

 冷蔵庫やテレビを捨てに来た蛸島町の北濱稜人さん(25)は、被災した自宅を取り壊すため片付けを進めており「ごみの処分に困っていたので、ありがたい。あと5往復くらいはしたい」と話した。

 飯田町の漁師堂端蔵人さん(73)は家具を運び込んだ。自宅の整理がはかどることを歓迎したが、仕事に使う船を失い気持ちは沈んだまま。「いまは前向きにやっていく意欲は湧いてこない」と声を落とした。

 鉢ケ崎の海水浴場駐車場では午前9時~午後3時に受け付ける。分別して持ち込むよう求めている。鉢ケ崎では日本スカウトジャンボリー会場跡地にも仮置き場を開設する。今後、飯田港、狼煙(のろし)港にも設ける。

 輪島市では鳳至地区と鵜入を除く大屋地区で委託業者による災害ごみの回収が始まった。各家庭で「災」の文字を書いた紙を貼ってごみを軒先に出してもらい、業者が回収していく仕組み。渋滞などの混乱を避けるため、仮置き場は業者以外は入れず、個人での持ち込みは禁止とした。

 回収日は河井、河原田・三井、鵠巣の各地区が月水金で、鳳至地区、鵜入を除く大屋地区は火木土。門前地区は2月中旬、町野、南志見地区は2月下旬からの開始を予定する。西保地区と大屋地区の鵜入町は予定が立っていない。

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