「赤字で運行が見込まれる」坊っちゃん列車、3月再開 クラウドファンディングで支援を募る準備

愛媛県の伊予鉄道は、運休している「坊っちゃん列車」について、最大の原因だった人手不足の解消にメドがつきつつあるとして、来月20日から再開すると発表しました。

「坊っちゃん列車」は、深刻な人手不足などを理由に去年11月から運休していますが、伊予鉄道によりますと労使交渉を前倒しし、先月から平均5%賃上げしたり採用を強化したりした結果、人手の確保にメドがつきつつあるということです。

これを踏まえ伊予鉄道は、来月20日の春分の日に再開すると発表しました。運行スケジュールは以前と同様、土日と祝日です。

グループの清水一郎社長は「今後も状況は厳しく、引き続き関係者の皆さまと協議してまいります」とコメントしています。

再開を巡っては松山市が関係機関と「考える会」を設置、その中で伊予鉄が年間5000万円から8000万円に上るという赤字の補てんを市に求めています。

(松山市・西村秀典産業経済部長)
「坊っちゃん列車が運行されることについては、うれしく思っている。一方で、伊予鉄のこれまでの説明からは、赤字で運行が見込まれるということになるので、持続可能な運行に向けて引き続き協議していきたい」

また、市はクラウドファンディングでも支援を募ろうと、準備を進めているということです。

運行再開の知らせに街の人は…

(男性市民)
「いいことだと思う。観光客向けの事業だと思うので、あった方が町としては活性化するんじゃないかと思う」

(女性市民)
「孫がすごく乗るの楽しみにしていたので、いいことだと思う。運行されるとしたら、私たちの税金から使われるようになるのか、そのあたりが知りたい。赤字というのを聞いてそれがすごく心配」

(男性市民)
「そこに行くまでがおかしいよね、税金ありきじゃなくて、企業は企業努力してやるべきだし」

一方、道後温泉周辺では期待の声が聞かれました。

(「坊ちゃん団子」の店白鷺堂店主・小池愛子さん)
「(観光客が)やっぱり来て『走っていないの?』ってがっかりしているから、走っていると喜ばれると思うし、(観光客も)増えると思う。やっぱり期待はしています」

(道後プリンスホテル・河内広志会長)
「もちろん朗報ですし、歓迎します。特に3月20日というと、ちょうど春休み、桜の開花シーズンだから多くの観光客が楽しみにしてお見えになると思う。我々宿泊業界もしっかりと全国に発信をし、坊っちゃん列車に乗ろうということで、お越しいただくお客様の層をさらに拡大していきたいと思う」

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