LRT西側延伸、5キロ12停留場を想定 東武宇都宮駅前や県庁前 宇都宮市が配置案公表

 宇都宮市は1日、次世代型路面電車(LRT)のJR宇都宮駅西側延伸について、2030年代前半の開業を目指す県教育会館までの整備区間(約5キロ)の停留場配置案を公表した。同駅西口のほか、東武宇都宮駅前など12カ所の停留場を想定。軌道建設に必要な国への特許申請は、駅西側の再開発と歩調を合わせ一体的に進めるため、当初の「2024年中」を先延ばしし、「25年度中」を目指す。

 同日の市議会全員協議会で佐藤栄一(さとうえいいち)市長ら市執行部が説明した。西側の停留場はいずれも仮称で配置イメージとして提示。宇都宮駅東口停留場から、JR線の横断部を含めた教育会館前までに12カ所の停留場を置いた。JR宇都宮駅西口、東武宇都宮駅前、桜通り十文字には、路線バスなどと乗り換えられるトランジットセンターの機能を設ける方針で、24年度はこれらの案を基に市民や事業者、関係機関との協議を深めていく。

 特許申請の時期見直しについて、矢野公久(やのまさひさ)市建設部長は「より丁寧に意見交換を行っていく。十分に検討することで、申請後の施工スピードを速められると考えている」と述べ、開業時期に影響がないことを強調した。

 開業済みの駅東側の路線では今年春のダイヤ改正で、朝夕の通勤・通学時間帯に増便し、朝のピーク時に快速運転を行う。また、宇都宮駅東口-芳賀・高根沢工業団地間の全線所要時間は普通運転で4分縮め、最短約44分にする。

 現在17編成ある車両についても、貸し切り運転需要の高まりやサイクルトレインといった観光目的の活用も見込まれるため、26年度までに新たに2編成を追加する。購入費は2編成で計約15億円で、24年度当初予算案で債務負担行為を設定する。

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