庄川遊覧船、1月の海外客最多更新 コロナ前上回る5千人超 地震影響少なく台湾客ら続々

台湾を中心に海外客の乗船が増えている庄川遊覧船=砺波市庄川町小牧

  ●冬の富山観光けん引

 砺波市の庄川遊覧船に1月も台湾を中心にインバウンド(訪日外国人)の団体客らが続々と訪れ、コロナ禍前を上回る5千人超が乗船し、同月として過去最多を更新した。能登半島地震の影響も懸念されたが、海外の団体客のキャンセルは少なく、逆に冬の富山観光のけん引役となっている。

 庄川遊覧船は砺波市庄川町の小牧ダムと南砺市利賀村の大牧温泉を結ぶ。冬は庄川峡の雪景色を楽しめ、冬の富山を代表する観光スポットとして台湾を中心に海外客の人気が高い。

 同社によると、1月の海外客を含めた乗船客(速報値)は5264人となり、コロナ禍前の2019年度の4921人を上回り、同月としては記録が残る08年度以降で最多となった。このうち海外客は4800人余となり、最多だった19年度の4262人を上回った。9割以上は台湾からの団体客で、インドネシアやシンガポール、マレーシアなど東南アジアなどからの来訪もあるという。

 関係者によると、能登半島地震直後から1週間は若干のキャンセルがあったものの、1月後半に海外客を乗せた大型バスが続々と訪れ、遊覧船2隻をフル稼働させて対応に当たっているという。2月も台湾を中心に海外客の予約が6千人を超えているという。

 庄川遊覧船の海外客はコロナ禍の20、21年度はゼロだったが、22年秋以降に徐々に戻り始め、23年度は現時点で既に1万人を超え、最多だった18年度の1万6574人を上回る勢いで伸びており、境不二夫取締役支配人は「今後も伸びてくれるとうれしい」と期待した。

© 株式会社北國新聞社