熊本で被災の児童、穴水町に手紙 お年玉から義援金2000円

千陽君の手紙を読む石﨑さん=穴水町役場

  ●「じしんのときにたすけてくれてありがとう」職員「励みに」

 穴水町役場に3日までに、生後2カ月で熊本地震に遭った小学2年生の富永千陽(ちあき)君(7)=熊本市東区=から、能登半島地震の被災者を気遣う手紙と義援金が届いた。テレビなどで能登の惨状を知り、親戚からもらったお年玉から2千円を寄付した。復興への思いが込められた手書きの手紙が添えられ、町職員は「復旧に向けて苦労もあるが、頑張る気持ちにさせてくれた」と感激している。

 千陽君の母晴佳さん(37)によると、2016年4月の熊本地震では、千陽君は晴佳さんに抱きかかえられ避難し、1週間ほど車の中で過ごした。当時のことは覚えていないものの、家族や学校の先生から「大変だったけど、全国各地のみんなが助けてくれた」と教わったという。

  ●穴水から派遣

 千陽君は、熊本地震で穴水町職員が派遣された熊本県西原村に住む祖母から能登の惨状を聞き、「きっと熊本の時よりも寒いだろうな」と感じ、お年玉の中から2千円を取り出し、同村社会福祉協議会を介して穴水町に送った。手紙には「くまもとじしんのときにたすけてくれてありがとうございます」「あったかいおふろにはいってください」などと記した。

 穴水町によると、能登半島地震で、熊本市や西原村から職員4人が派遣され、復旧作業に当たっている。義援金の受け付けを担当する会計課の石﨑都さん(49)は「遠く離れた小学生がこんなことを思ってくれ、励みになる」と語った。千陽君は「おいしいご飯を食べて元気を出して」と話した。

© 株式会社北國新聞社