転院先で100歳祝い 能登町・正井さん、南砺市民病院

家族や病院職員から祝福を受ける正井さん(中央)=南砺市民病院

  ●「皆さんのおかげ」

 能登半島地震で被災した柳田温泉病院(能登町)から南砺市民病院に転院した正井しげ子さん(同町五十里)が1日、100歳の誕生日を迎え、市民病院職員が能登町から届いた祝い状と花束を手渡した。正井さんは「うれしいです。皆さんのおかげ」と感謝し、金沢市や岐阜県大垣市から駆け付けた家族は、震災をくぐり抜けた母親の姿に喜んだ。

 正井さんの長男正井健一さん(73)=金沢市四十万=や次女岡安喜美枝さん(75)=岐阜県大垣市=によると、しげ子さんの安否は能登町に暮らす長女を通じて確認できた。しかし、3人とも高齢で行くことはできず、無事を祈るしかなかった。

 正井さんは1月19日に大型ヘリで陸自富山駐屯地に運ばれ、南砺市民病院に転院した。看護師が正井さんのデータから1日に満100歳となることに気付き、お祝いを企画した。

 地震について正井さんは「びっくりした。(自分で)起きれもせんし、何も分からんままここに来た」と話した。岡安さんは「コロナ禍でも会えず、直接会うのは5年ぶり。心配だった」と涙ぐみ、健一さんは「母は強運だ。皆さんの協力に感謝します」と話した。

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