台湾から氷見復興願い 交流の高雄市立歴史博物館

特設ボードに貼られた短冊=台湾・高雄市立歴史博物館(同館提供)

  ●「加油」「平安」メッセージ続々

 能登半島地震で大きな被害に見舞われた氷見市の復興を願うメッセージが、台湾の高雄市立歴史博物館に続々と寄せられている。同館は氷見市立博物館と友好協定を結んでおり、地震後すぐに特設ボードを設置。台湾語や日本語で「加油(頑張れ)!」「平安」「平穏な生活にもどれますように」などと200件超の応援メッセージが寄せられており、海を越えてエールを送っている。

 両館は2020年に友好協定を締結。以来、交流事業を盛んに行っており、昨年11月からは高雄市立歴史博物館で、両市の獅子舞を紹介する合同企画展を開催中だった。

 特設ボードは1月4日に設置した。ボード脇のパネルでは、建物倒壊や断水など氷見の被災状況を紹介し「台湾と氷見の心は一つ。一緒に早い復興を祈りましょう」と短冊への記入を呼び掛けると、来館者が次々とメッセージを寄せた。

 日本語で記入する人も多く「萬事順調をお祈りします」「無事であることを祈っています」など温かい声が相次ぐ。短冊に氷見市のマスコットキャラクター「ひみぼうずくん」の絵を描く来館者もいたほか、韓国語、英語でのメッセージもあったという。

 3日は両館をつないだリモート講演会「氷見の獅子舞とその伝承」が開かれた。氷見市立博物館の小谷超館長が講演の冒頭、復興状況を紹介し「温かいメッセージをありがとうございます」と感謝を伝えた。特設ボードに寄せられた短冊は3月の企画展終了後、氷見市に贈られるという。

 氷見市には地震後、陳其邁(チンキマイ)高雄市長、友好交流都市・同市鼓山区の鄭(テイ)明興区長からもお見舞いのメッセージが届いている。

  ●氷見市長の訪台中止

 地震の影響で、林正之氷見市長が今月20~23日に予定していた高雄市への訪問は中止となった。高雄港整備を手掛けた氷見市出身の実業家浅野総一郎の資料展やブリを味わう交流会への出席、観光PRなどを予定していた。

 林市長は「コロナ禍が落ち着きインバウンド(訪日客)が回復する中で、交流をより深めたかったので残念だ」と述べ、新年度高雄市で予定されている展覧会への出展などを検討するとした。3月20~24日に予定していた友好交流都市の中国・浙江省寧海県への訪問も中止となった。

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