バスケットボール男子・Bリーグ2部は第20節最終日の4日、各地で7試合を行った。東地区のパスラボ山形ワイヴァンズは天童市の県総合運動公園アリーナで奈良(西地区)と対戦し、80―78で勝利した。2連勝で通算成績は20勝17敗、順位は3位のまま。
山形はルーズベルト・アダムス、ジェームズ・ベル、村上慎也、白戸大聖、ティモシー・ホリフィールドが先発した。前半は第1クオーター(Q)に先行され、第2Qは失点を抑え38―37で折り返した。後半は第3Qにリードされて53―60となり、第4Qは中盤に追い付いて接戦に。ベルが3点シュートやフリースローを決め、逃げ切った。
ベルが19得点、マイケル・フィンケが17得点、ホリフィールドが16得点だった。
次節は10、11の両日、千葉市の千葉ポートアリーナでA千葉と対戦する。
【評】山形は要所の守りで高い集中力を見せた。スチールは奈良の5に対して8で、得点につなげて相手の気勢をそいだ。前日同様、相手の隙を逃さず着実に加点したのも大きかった。ターンオーバーからの得点は相手を上回る14点だった。
阿部(山形南高出)の執念、流れ引き寄せ
【マッチアップ】「勝ち切る」。執念を献身的なプレーで表現した阿部龍星(山形南高出)が随所で流れを引き寄せ、チームに連勝をもたらした。
序盤からボールに食らいつき、4点を追う第2クオーター(Q)中盤。エンドラインを割りそうなボールに体を投げ出して飛びついた。「動きは見えていた」。左腕を目一杯伸ばし、振り向きざまに岡島和真につなぐ。岡島からパスを受けたジェームズ・ベルが3点シュートを決めた。反撃の合図のように、チームは同Qで逆転に成功した。
同点となった第4Q終盤には、相手速攻の場面で体勢を崩しながら後方からのボールに右腕を伸ばした。一度触れた後、ボールは相手に当たりコート外に。マイボールにしたことで、勝利を手繰り寄せるベルの外角シュートにつながった。
勝利に貢献し、春の始まりとされる立春に行われた試合でファンの笑顔を咲かせた。石川裕一ヘッドコーチからも「良い流れを生んでくれた」とねぎらいの声が飛んだ。
次は首位を独走するA千葉とのアウェー戦。阿部は「やり合える相手」と力強い。守備、リバウンド、攻守の切り替えを意識し連係を深めてきた自信がのぞく。練度を高めたチーム力を強豪にぶつける覚悟だ。
守備からリズムつくれた
石川裕一ヘッドコーチの話 競った試合を取り2連勝は大きい。守備から良いリズムをつくれた。次から上位チームとの対戦。勝ち星を挙げればプレーオフに近づく。良い準備をして臨みたい。