宇都宮城址公園に「静桜」を植樹 市民団体が看板も設置

静桜を植樹する花の会のメンバー

 【宇都宮】国本地区の市民団体「静桜(しずかざくら)うつのみや国本花の会」は1月30日、本丸町の宇都宮城址(じょうし)公園に静桜の若木1本を植樹した。

 鎌倉時代初期、源頼朝(みなもとのよりとも)に追われた義経(よしつね)は、奥州平泉に逃れた。義経を慕って旅した静(しずか)御前が、野沢町付近に立ち寄り、携えてきたつえを塚に刺したところ、根付きの桜となった。花は一重、八重に咲くほか、義経のかぶとを抱いて咲くよう見えることから「静桜」と呼ばるようになったと伝えられる。

 同会は、親しみながら静桜の保全と環境美化、地元の活性化を図ろうと、2012年に結成。会員21人が、同地区を中心に植樹活動などを行っている。

 今回は15カ所目の植樹。植樹された木は、12代目とされる現在の原木から継ぎ芽した樹齢約10年の若木で、高さ約3メートル。同会のメンバー10人がスコップを使って植樹し、由来を説明する看板も設置した。

 同会の矢古宇芳一(やこうよしかず)会長(62)は「県内外からも多くの人が訪れる公園。静御前ゆかりの桜を多くの人に知ってほしい。今年は、(植樹したばかりで)花は期待できないが、来年は満開になるのが楽しみ」と話した。

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