芸工大の30年、記念誌に 県内書店など、あす6日発売

開学30周年を記念した「ローカルが生んだクリエイティブ大学 東北芸術工科大学三十年の軌跡」

 2022年の開学30周年を記念して東北芸術工科大(山形市)が編さんした書籍「ローカルが生んだクリエイティブ大学 東北芸術工科大学三十年の軌跡」が、完成した。山形に芸術系大学ができた時代背景や地域などと連動し実践してきた経営判断や事業など、これまでの歩みをまとめた。6日から販売される。

 同大は1992年4月、県と山形市が開設し、学校法人が運営する公設民営方式で開学した。日本で初めて「デザイン」を冠した学部を設け、クリエーティブな人材育成とともに、多様な事業を通して地域に根差した活動を続けてきた。

 記念誌は、開学以前から2023年4月までの歩みをたどった「通史編」と、年表などを記載した「資料編」で構成。大学創設の経緯や学科の変遷などを記述した通史編には、「芸術工科大」に込められた関係者の期待、キャンパスの設計意図、11年に浮上した法人統合計画に伴う騒動、震災やコロナ禍での対応などがつづられている。大学を取り巻く社会の変化や課題の中で試行錯誤しながら歩みを続けた姿勢が見て取れる。

 編集責任者で同大職員の野村真司さん(61)は「関わってきた人たちの言葉など、後世に残したい思いも記録した。地域が生んだ大学の歴史を多くの人に知ってもらいたい」と話した。

 A5判392ページで2200円。県内の書店や大学構内の「TUAD STORE」で取り扱うほか、同大ホームページからも購入できる。

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