差は「2311票」 トヨタのおひざ元で長年の慣例が崩れ異例の一騎打ち 愛知県の豊田市長選挙

その差は2311票。この数字をどう受け止めるのでしょうか。長年の慣例が崩れた愛知県の豊田市長選挙は、4日に投開票が行われ、現職が「僅差」で当選を果たしました。

豊田市長に当選した、現職の太田稔彦さん69歳。

(当選 無・現職 太田稔彦氏 69歳)
「なんとか勝ちとることができた。多くの皆さんの支持を得たと確信している」

投票率は46.31%、前回を9.75ポイント上回りました。今回の豊田市長選挙は、相乗りが崩れて「異例」の一騎打ちに。

現職の太田さんが4期目を目指したことに、市議会の自民系会派が難色を示し、これまで長年慣例だった、自民系、トヨタ労組系、地元財界での候補者の一本化が行われなかったのです。

この「分裂」の結果、自民系会派が新たに支援したのは、新人の前・県議会議員・鈴木雅博さん。

(無・新人 鈴木雅博氏 44歳)
「今までと同じことをやっているだけでは、豊田の未来を守ることはできない」

新人の鈴木さんは、自民党が派閥の政治資金パーティをめぐる裏金問題に揺れる中、自民党に離党届を提出。

裏金問題の影響に揺れる「自民党」ではなく、「完全に無所属」という立場を打ち出し、選挙戦に挑んだのです。

そして、4日の投開票。

15万人以上が投票し、決着は2311票差

■開票結果
太田稔彦 77,107票
鈴木雅博 74,796票

結果は、現職の太田さんがこれまでの実績をいかし、当選。鈴木さんは2311票差まで迫りましたが、一歩及びませんでした。

(無・新人 鈴木雅博氏 44歳)
「(Q.自民党の裏金問題 選挙に影響は?)私自身が今回の選挙でそのようなことを一回も言われたことがない。そういうことで(負けた)ということではない。全て私の責任」

鈴木さんを支援した、自民系会派は。

(豊田市議会 自民クラブ議員団・山田主成団長)
「(太田さんは)3期目ぐらいになってから我々に対して、軽視したことがあるので、新しい芽を摘んだということは、本当に残念な話」

一方、接戦を制した太田さんも。

(当選 無・現職 太田稔彦氏 69歳)
「この僅差はしっかり受け止める必要がある。暮らしている市民の目線で(自民系会派と)一回話をするんでしょうね」

市議会自民系会派とのしこりを解消し、市民の声に今まで以上に耳を傾けられるか。4期目を担う太田さんの手腕が問われます。

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