朝乃山「大関復帰見守って」 朝潮お別れの会 先代師匠に誓う

先代高砂親方の遺影に大関復帰を誓う朝乃山=都内

 大相撲の朝乃山(富山市呉羽町出身、富山商高OB、高砂部屋)は5日、都内で営まれた先代高砂親方(元大関朝潮)の長岡末弘さんのお別れの会に参列し、「大関に戻れるよう、天国から見守ってください」と誓いを立てた。

 遺影に花を手向けた後、取材に応じた朝乃山は、近大の先輩である朝潮は憧れの存在だったとし「常に隣にいてくれたのが先代師匠だった」と語った。

 2019年6月、朝乃山の初の幕内優勝を祝う優勝パレードの際、二人で乗った車中で見た長岡さんの楽しそうな姿が 先代師匠に誓う

目に焼き付いていると明かした。最後に会ったのは昨年7月の名古屋場所直前。既に車いす生活だったが「自信を持って頑張れよ」と激励してくれた。

 昨年の九州場所後、長岡さんの妻恵さんから、亡くなった時に手足から切った爪を形見に受け取った。恵さんは「親方の願いは日本人横綱を作ること。その後押しになればいい」と明かした。朝乃山はお守りに入れて身に着けている。

 朝乃山は「『前に出ろ』とたくさん言われてきた。胸に刻み、残りの現役生活を悔いのないようにやる」と決意を込めた。

 お別れの会には約350人が参列し、日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は弔辞で「天国から優しい笑顔で見守ってください」と声を詰まらせた。弟子で元横綱朝青龍のドルゴルスレン・ダグワドルジさんは「ちゃんと最後は話したかった」と惜しんだ。

 高知県出身の長岡さんは昨年11月に67歳で死去。押し相撲で大関時代に優勝1度を記録し、大きな体と陽気な性格から「大ちゃん」の愛称で親しまれた。

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