集団避難19人親元戻る 輪島・東陽、門前中「半ば強制」反発

  ●市教委が謝罪

 地震後に輪島市外へ集団避難した同市東陽中と門前中の生徒19人が、避難先の白山市の施設を退所し、保護者が住む輪島などへ戻っていたことが分かった。市内の学校の授業再開に合わせた措置だが、一部の保護者は「半ば強制的に戻された」と反発。市教委の小川正教育長は「保護者にきちんと選択肢を示していなかった」と謝罪し、意向をあらためて調査した上で希望に添って対応する方針を示した。

 集団避難を巡っては、1月17日、輪島市内の学校再開のめどが立たないことから、輪島、東陽、門前の3中学校401人のうち約250人が白山市に移った。

  ●白山とどまる選択肢示さず

 避難期間は2カ月程度を想定していたものの、門前中は1月24日に門前東小で、東陽中は同30日に町野小で学校活動を再開した。これを受け、門前中と東陽中の両校長が保護者に意向を確認。その際、校長は白山市にとどまる選択肢を明示しなかったという。

 小川教育長は「校長に明確な指示を出さなかった私の判断ミス。保護者と生徒に大変なご迷惑をおかけした」と謝罪。その上で、希望があれば白山市に再び移って授業を受けてもらうとした。

 中3の次女と中1の長男が避難先から戻った川原伸章さん(46)=東陽中PTA会長=は「住む場所がなく、どう学校に通えばいいのかも分からない」と指摘。「娘は受験を控えているのに、市教委はそれを分かっているのか」と怒りをあらわにした。

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