石川県内の全公立小中再開 輪島の7校、高校の教室で 「友達と遊ぶの楽しみ」児童笑顔

輪島高に笑顔で登校する児童=6日午前8時40分、輪島市河井町

 能登半島地震の影響で休校が続いていた輪島市内の小中学校計7校が6日、輪島高校舎を利用して再開した。通常授業は行わなかったが、子どもたちは同級生との再会に笑顔を見せた。県によると、これで石川県内全ての小中学生が登校可能となった。

 輪島高で登校を再開したのは、河井、鳳至(ふげし)、鵠巣、大屋、河原田、三井の6小学校と輪島中。市によると、登校後に保健指導など心のケアを中心に実施する。徒歩や保護者の送迎などでの登校を基本とし、難しい場合はオンラインで参加する。当面は午前9時から正午までで、校内の空き教室を活用する。

 初日は6小学校の合計589人のうち、3割程度とみられる児童が登校した。河井小2年浦乃彩さん(8)は、友達と再会すると「久しぶり」とうれしそうに声をかけ合った。

 三井小6年の前田航輝君(12)は「友達と思いっ切り遊ぶのが楽しみ」と笑顔を見せた。兄で輪島中3年の和輝さん(15)は白山市へ集団避難している。母あつ子さん(47)は「1人でふさぎ込んでしまわないか心配だったので、学校が始まりほっとした」と話した。

 子どもたちを迎えた鳳至小の冨水聡校長(56)は「『待っていたよ。一緒に頑張ろうね』と声をかけたい」と述べた。

 輪島市内には12の小中学校があり、門前、町野地区の5校は既に一部の小学校の校舎を利用して児童生徒の受け入れを始めていた。

 県内では1月9日の冬休み明け以降、輪島市のほか、七尾市や珠洲市、穴水町などで臨時休校が続いた。その後、順次登校が再開され、輪島市の7校を残すのみとなっていた。

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