「猫のまち」に一時避難 被災地から6匹、かほく市に

被災した猫を世話する「かほく猫の会」のメンバー=かほく市高松

 かほく市で野良猫と地域の共生を目指すボランティア団体「かほく猫の会」が6日までに、地震で被災した猫の一時預かりを始めた。短期間でも預かることで一つでも多くの命を救い、野良猫の繁殖を抑える活動の周知にもつなげる。

 一時預かりは、同会の浜本清美代表=白尾=が親戚の猫を保護したことがきっかけで始めた。珠洲で被災した義理の姉が、かほく市内のアパートに避難してきたが、ペットの同伴が難しかったためという。

 同会はこれまでに珠洲や輪島から6匹を受け入れた。飼い主の生活再建のめどが立ち次第、受け取りに来るのが条件で期間は約3カ月としている。

 同会メンバーは仕事の合間を縫って、従来から高松の事務所で飼っている20匹と一緒に預かり猫を世話している。震災のストレスで体調を崩したり、痩せ細った猫もいたが、日に日に回復傾向にあるという。

 同市は世界的哲学者の西田幾多郎が愛猫家だったことにちなんで「猫のまち」を掲げ、市民ぐるみで猫の命を守る意識を高めている。浜本代表は「活動を通して助かる命を増やし、今後は地域ぐるみでペットや野良猫との関わり方を考えるきっかけにもしてほしい」と話した。

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