“ダブル”節目の演奏会 佐世保市民管弦楽団 ラフマニノフの大曲披露 11日、アルカスで開催

古谷さんの指揮で本番に向け練習に励む団員=佐世保市金比良町、西地区コミュニティセンター

 佐世保市民管弦楽団の創立60周年を記念した第80回定期演奏会が11日、佐世保市三浦町のアルカスSASEBOで開かれる。創立、公演回数の“ダブルアニバーサリー”として、ラフマニノフの大曲「交響曲第2番」「ピアノ協奏曲第2番」のプログラムで送る。団員は「やりがいのある曲。生のオーケストラの魅力を伝えたい」と練習に励んでいる。
 楽団は1964年に発足。県内で最も古いオーケストラとしての歴史を持つ。69年の第5回定演では、故・團伊玖磨氏に作曲を委嘱した「西海讃歌」を初演。九十九島を題材にした名曲を「宝物」として、さまざまな場面で各種合唱団と共演し続けている。
 現在、団員は市民を中心に20~70歳までの46人。コロナ禍は個人練習もままならない時期もあったが、団員はメモリアルステージに向け、順調に調整を重ねている。市内外のエキストラ、団友のサポートを受け、約70人編成でステージを披露する。
 指揮は名古屋芸術大名誉教授、セントラル愛知交響楽団正指揮者の古谷誠一さん。ソリストに佐世保出身で元東京芸術大音楽学部非常勤講師のピアニスト、本山乃弘さんを迎える。2人は楽団と共演経験があり、合同練習で最終調整中。信頼から生まれるアンサンブルが期待される。
 「交響曲第2番」は佐世保で演奏されるのは初めて。4楽章で構成され、混沌(こんとん)とした始まりから美しいハーモニーへと展開される。「ピアノ協奏曲第2番」はピアノの難曲とされ、本山さんの繊細で表情豊かな演奏が注目される。
 楽団は年2回の定演を重ね、地元ゆかりの音楽家との共演を活動の柱に、地域の音楽文化の向上に貢献している。事務局長の蓮田睦美さん(63)は「生演奏の素晴らしさを感じてほしい」。後継者の育成が課題で「演奏を楽しむ仲間が増えることを願う」と語る。
 団長の川﨑千之さん(62)は「節目の演奏会で、ゆかりの深い2人の音楽家との共演が実現する。この喜びを音楽に乗せて届け、団員の熱意を伝えたい」としている。
 定演は午後2時開演。入場料は一般1500円(当日1800円)、小中高生500円(同700円)。託児室を用意。問い合わせは事務局(電0956.28.4453)。

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